blp4232 adam's apple

ADAM’S APPLE BLP4232
ウェイン・ショーター ts
ハービー・ハンコック p
レジー・ワークマン b
ジョー・チェンバース ds
1966年 ルディー・ヴァン・ゲルダー録音

ウェイン・ショーターこのアルバムSIDE1の1曲目がアルバムタイトル曲『アダムスアップル』というのが,ちょっと面白いのです。
レジー・ワークマンとジョー・チェンバースのイントロから始まり,ウェイン・ショーターのテナーサックスのソロが終わるとハービー・ハンコックのピアノソロが始まります。
そしてこのピアノソロの中で何回もピアノが『天才バカボン』を繰り返すのです。いや、バカボンボンのメロディではなく、単に『天才バカボン』という言葉を繰り返すのです。ジョー・チェンバースの軽快なスネアのリズムに乗って
『天才バカボン』・・・
『天才バカボン』・・・
・・・
と繰り返す。というふうに私には聞こえるのです。ハービー・ハンコックは『天才バカボン』なんて知らないでしょう。アメリカではニワトリは『クッカドゥードルドゥー』と鳴くらしいが,日本のニワトリは『コケコッコー』と鳴きますね。それと同じように?私にはハンコックのピアノが『天才バカボン』としゃべっているように聞こえるのです。いや、ほんとにそう聞こえるのです。
『天才バカボン』 それでいいのだ!!!!!
ハービー・ハンコックは天才的なピアニストと言われており、作曲でも数々の名作を生んでおります。処女航海やウォーターメロンマンなどポピュラーになった名曲も多いですね。
ウェイン・ショーターとハービー・ハンコックの共演アルバムは数多い。マイルス・デイビスのコンボでのアルバムにも共演していて数々の名作を残しています。さてウェイン・ショーターの作曲した『フットプリント』がこのアルバムのB面にはいっていますが、マイルス・デイビスのコロンビア盤『マイルス スマイルス』にも収録されております。『マイルス スマイルス』の中の『フットプリント』はこのアルバムの『フットプリント』よりややアップテンポで緊張感の高い雰囲気を持っていますが、このアルバムではそれよりややリラックスした雰囲気を出しております。ジョー・チェンバースがリラックスしたリズムを刻み出しているようです。
ジョー・チェンバースは『フットプリント』のような3拍子系のリズムを刻ませたら実にうまいですね。ボビー・ハッチャーソンの名アルバム『ハプニングス』ではハービー・ハンコックのピアノとジョー・チェンバースのドラムスが絶妙の絡みですね。1曲目の名曲『アクエリアンムーン』も3拍子系のリズムで、ジョー・チェンバースがアップテンポの小気味よいリズムを打ち出しております。あの当時、いろいろな所から引っ張りだこだったジョー・チェンバース。それも1ホーン、2ホーンなど管楽器編成がほとんどでピアノトリオはあまり聞かない。ピアノトリオ向きのドラムではないのかな?と思ったりします。いやそんなことないですよね。VORTEXのチック・コリアの名アルバム『トーンズ・フォー・ジョーンズ・ボーンズ』では素晴らしいリズムサポートしてますね。