10月ともなると、さすがに秋らしい空気が漂ってくる。大阪にも。
酒のアテはこんなんがいい。
湯豆腐

そして聴くのはこれ。
blp1595

私の持っている数少ないブルーノートのオリジナルである。

枯葉

少々ノイズが入るが、そんなことはぜんぜん気にならんなあ。この超有名なアルバムになんらケチをつけるつもりはないが、思ったことを少しだけ。
このアルバムは諸般の事情があってキャノンボール・アダレーがリーダーとなっている。ジャケット表面の最下部に
『MILES DAVIS PERFORMS BY COURTESY OF COLUMBIA RECORDS』という但し書きがあるように当時、マイルス・デイビスはコロンビア所属だった。
だから他レコード会社で大っぴらにリーダーアルバムを出すことはできなかったのである。だからなぜキャノンボール・アダレーがリーダーになったのかは知らない。いずれにしても実質のリーダーはマイルス・デイビスというのは聴けばわかる。
アルバムタイトルは『SOMETHIN’ ELSE』,中でも『枯葉』が有名でその昔、シングルカットされたこともある。
この曲の中でソロをとるのはマイルス・デイビスとキャノンボール・アダレーとハンク・ジョーンズ。
この曲の本来の物寂しげな曲風をマイルス・デイビスとハンク・ジョーンズは見事に展開しているのであるが、キャノンボール・アダレーのアルトサックスソロだけはまるで雰囲気が違って秋から冬を通り越して一気に春になったようになってしまう。
これがキャノンボール・アダレーらしくてじつはなかなかいいなと思う。
このアルバムの約1年後にCOLUMBIAよりマイルス・デイビスの歴史的名盤『KIND OF BLUE』が出る。
ここでもキャノンボール・アダレーが参加していてキャノンボール・アダレーらしいソロを演じている。これが個性というものだろう。ジャズはアドリブの世界。そこに個性がなかったらただの伴奏者になってしまう。
だれが聴いても『あ、これはキャノンボール・アダレーや』と思われるのがジャズマンの本望ではないか。
などと私は勝手に想像する。